オタク卒業
読んで字の如く。
まあ正確には「オタクを卒業」ではなく「とある1コンテンツを卒業」なんだけど。
そのコンテンツをすっぱり卒業しようと決めた。このコンテンツ自体嫌いになったわけじゃないし、これきっかけで初めてオフ会したりめっちゃ仲良くなったりした子とかもいたからずっと未練タラタラだった。でもそのコンテンツに興味がそそられなくなった。お金をかけたいと思えなくなった。そう思った時点で卒業しようと決めた。
さあ卒業を決心した私には1つ大きな問題があった。それはグッズ厨だったために押入れの奥底に眠る山のようなグッズの数々である。いわゆる痛いバッグを作り、池袋を練り歩いていた青春時代の産物がここに来て刃を向けてきた。
「過去を振り返らないためにも全部売る!」と決意して動いた3秒後に後悔。この缶バッジやらストラップの山のどこから手をつければ良いのか…。
しばらく悩んだが動かないでいるのもしょうがないのでとりあえず袋を持ってきてその中にどんどんグッズを詰め込んだ。
缶バッジ缶バッジラバストアクキー缶バッジラバストラバストラバスト缶バッジラバストラバスト……。
「あ、このグッズ交換大変だったなあ…」
「これライブの時に寒い中交換大会したやつだ…」
「なんだこれ用途がわからねえ…」
「これのために朝早くから並んだ…」
「フォロワーさんと池袋行った時に買って珍しく推しを自引きしたやつだ…」
「いやいやいや同じ絵柄のやつ、これで何個目だ…?」
「これとか未開封じゃん…」
と初めの方は思い出に浸っていた(?)があまりの量の多さと自分のアホなまでのグッズ厨ぶりに悲しくなってきて途中からは工場の作業のように無心で詰めた。
(決してグッズをたくさん集めている方を非難してるのではなく、当時の自分お金無さすぎて食費削ってまでグッズ買ってたなあ、虚しいなあ。という意味。愛し方は人それぞれだと思ってる)
なんだかんだで小物類全ての袋詰めが終了した頃には明るかった空がとっぷり暗くなっていた。
ただしこれで終わりではなかった。売りに行かなければならないのだ。私の地域はゴミ捨ての判別が細かいので捨てるより売る方が圧倒的に楽。ただしうちから一番近くのらし○ばんがある場所まで、チャリで15分、電車で40分かけて行かねばならない。なんとか大きいバッグ2つにおさめ、両肩にぶら下げながら翌日、ヨロヨロと家を出た。
自転車カゴに入る大きさではなかったため、両肩からバッグを下げてチャリを漕ぐ。極度のなで肩からバッグが落ちてこようとするが、肩から滑り落ちると荷物が重いためチャリのハンドルを持ってかれる恐怖があり、必死に肩を上げて猛スピードで漕いだ。(次の日激しい肩こりに見舞われた)
なんとかついた地元の駅では、オタクグッズが入った大荷物を2つ抱えた姿を知り合いに見られたくない一心でコソコソと動いた。今思い返すとでっかい荷物を持った女が怪しげな動きで電車待ちしてるのはかなりヤバイやつだ。知り合いでもまず近づかないだろう。まあ結果オーライ。
そしてやっとお目当の水色のお店へ。フラフラになりつつも、「こちらに売りたい商品を入れてください」とかごを差し出されてグッズを入れていったとき、「ああ、私の青春よ、さよなら」と本気で思った。
もうグッズをつけていく現場に行こうとは思わなかったし家にあってもかさばるだけだから売っちゃっていいや、と考えていた。だがいざ本当に自分の手元から離れると寂しさがあった。
しかし私よりも幸せにしてくれるオタクの元へ羽ばたいてくれと疲れて思考が停止しかけていた脳で思いつつ、手放したのだった。
この時に売ったのは缶バッジやラバストなどの小さいもの全般だ。しかしそれを売りにいってもなお、部屋には様々なグッズが眠っていた。
だが、そんなグッズたちも何回かに分けて売りに行き、とうとう今日売りにいくので最後となった。今日は今日でまた大荷物なのだが、これでやっと全てのグッズが部屋からなくなる。
さよなら私の大好きだった作品。いろんな人と知り合えるきっかけができて、時には面倒ごとに巻き込まれたりもしたけどそれでもみんなで1つのコンテンツを応援して愛してたのはめちゃくちゃ楽しかった。
新情報が出れば賑わうTL。毎年周年記念や誕生日は全力でお祝いして、イベントの当落日はみんなでソワソワして。
グッズのBOX買いしてたらフォロワーのフォロワーとよくわからないうちに知り合いになってたり現地交換で意気投合したり不思議な人脈もできた。
このコンテンツに出会わなければ色んな人にも出会わなかったし、感動もワクワクもなかったと思う。楽しかったなあ。
ダラダラ書いたが今日で全部スッキリ。ありがとうございました。
さあ〜今日も大荷物担いで水色のお店にお世話になりにいくぞ〜〜!!!